知識の制度化を考える 知識社会学という視座

知識の制度化を考える知識社会学

多様な知識が求められる現代社会において、そもそもどのような知識が必要であるのかというメタ的な知識が要求されるようになってきているのではないだろうか。メタ的な知識は、「知識についての知識」ということができる。知識社会学とは、知識と社会の関係性を研究する学問である。

そのなかでも筆者は、知識の分類と制度化のメカニズムについて考えている。よくある疑問は、知識がそれぞれの領域に分かれるのは、知識の量が絶えず増え続けるからではないかというものだ。それに対して回答するならば、どのくらいの知識が蓄積されたら、知識のまとまりとして領域をわける必要があるのだろうか。実際に、知識がどんどん増えていることにかわりはない。しかし、ここまで知識が蓄積されたら領域を分けるというような決まりや目安はない。

あるいは、誰かが「これこれの知識は、社会学(物理学等々)だ」と決めているのか。どこかでとても賢い優秀な人間がこのような領域を決めているのか、というとそういうわけでもない。そう考えると、知識の量が増えたから知識のまとまりを分けるというのは厳密な説明としては成立しなさそうである。

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