企業のヒト・モノ・カネの源に 分散型自律組織「DAO」の可能性

従来組織とは全く異なる新しいガバナンスを実現するDAOは、日本においても次世代のプロジェクト推進体やイノベーション創出手法として注目を集めている。DAOの現状と課題、日本での活用可能性について分析する。

中村 敏(PwCコンサルティング シニアアソシエイト)

DAOと従来型組織の違い

日本語で分散型自律組織と訳されるDAO(Decentralized Autonomous Organization)は、ブロックチェーン技術などを活用し、中央集権的な管理機構を持たず、参加者による自律的な運営を目指す組織形態を指す。

組織のビジョンに賛同する人が、意思決定に関与できる機能を有したガバナンストークンを保有し、組織運営に参画。所有と経営が一致した組織であり、事業が成功・成長すれば保有するトークンに応じてインセンティブが共有される。参加者間であらかじめ合意されたロジック (スマートコントラクト) に基づき運営・収益分配等を自動執行したり、取引記録を開示することで保有者構成や財務状況の透明性を高めるなど、これまで実現できなかった新しいガバナンスが可能になる。

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