芸人・滝沢秀一が切り拓いた「日本一のごみ清掃員」への道

22歳で『ダウンタウン』を目指し、漫才コンビ『マシンガンズ』を結成した滝沢秀一。デビューから17年ほど経ったとき、次に掲げた目標は「日本一のごみ清掃員になる」だった。そして現在、漫才だけでなく、環境省のサステナビリティ広報大使などごみの専門家としても活躍。滝沢が切り拓いた『ゴミ研究家』への道のり、そして、環境問題への思いとは――

文・油井なおみ

 

滝沢 秀一(芸人・ゴミ清掃員・作家)

出産費用の為に始めたゴミ清掃業
現実逃避から新たな夢が始動する

滝沢秀一の子供時代、メディアは空前の漫才ブームに沸いていた。同じ東京下町出身のビートたけしを擁する『ツービート』がテレビを席巻。母とともに、テレビはもちろん、近くで営業があれば観に出かけた。気づけば根っからのお笑い好き。

「高校に入学したら、そこが偶然、たけしさんの母校だったんです。しかも、公立高校なのに、たけしさんを教えた先生が戻ってきて、僕らも教わったんです。導かれたと思いました(笑)」

思春期には『ダウンタウン』にのめり込み、いつしか、母について見ていたはずのお笑い番組を自ら夢中になって追うようになっていた。

「大学生になると、爆笑問題さんのネタに刺激を受けて、俺もやりたい、と思うようになりました。実は当時、学校の先生を目指していて、教育実習先も決まっていたんです。でもここで実習に行ったら、自分は普通に先生になって、一生お笑いに挑戦することはないだろうなと。そう思ったらいてもたってもいられなくなって、直前に辞めちゃったんです。本当にご迷惑をかけましたが、当時の自分は『退路を断たないと』と思ったんです」

デビューにはこぎつけたが、同期たちが芸歴4、5年で花を咲かせていく中、先が見えないまま迎えた9年目の頃。それまでにいなかった「ふたりツッコミ」というスタイルを最後の挑戦だと提案して舞台に立った。

「それがウケたんですよね。当時はそんなスタイルがなかったから。それでもう少し頑張るか、となったんです」

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