年間1億枚が廃棄 「寝具」の回収・再生で循環型社会をつくる

日本で年間1億枚も廃棄され、大半が焼却処分されている布団。yuni(ユニ)は廃棄布団を“資源”と捉え、寝具を回収し再素材化するサービス「susteb」を展開。2021年9月のサービス開始以来、11万枚以上の布団を引き取り、資源化している。

日本では年間1億枚もの寝具が廃棄され、多くはリサイクルされず焼却処分される

年間1億枚の廃棄される寝具は
天然素材の宝庫

2019年創業のyuniは、「素材の廃棄をなくし、日本を廃棄大国から資源大国へ。」をビジョンに、寝具の引き取りと再生に取り組む。9月に開催されたICCサミット KYOTO 2022のピッチイベント「STARTUP CATAPULT」で優勝するなど、今最も注目を集めるスタートアップのひとつだ。

代表取締役の内橋堅志氏は京都大学出身、IT企業での機械学習エンジニアを経てyuniを起業した。AIから寝具再生への転身という異色の経歴だが、もともと内橋氏の実家が寝具メーカーであり、高校生の頃から家業を手伝うようなったことで、布団をめぐる課題に気づいたという。

「日本には『布団の死』という課題があります。実家で働いていた時、寝具の焼却処分場へ続くトラックの列を度々目にすることあり、『なぜこんなにもったいないことをするのか』と感じていました。寝具の廃棄量は年間1億枚。日本人1人あたり、およそ年に1枚捨てている計算になります」

廃棄される寝具は天然素材の宝庫だ。羽毛布団1枚には水鳥200羽分の羽毛が、綿布団1枚には綿畑100坪分の綿花が使われている。それにも関わらず、アパレルのリサイクル率が37%なのに対し、寝具のリサイクル率はわずか2%にすぎない。寝具のリサイクルは素材の選別や洗浄・滅菌に手間がかかるからだ。

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