舞台ファーム 農業の未来を創る「地域未来牽引企業」へ

仙台の地で1720年から農業を営んできた針生家の15代目、針生信夫氏率いる舞台ファーム。10年後、30年後の農業のあるべき姿をふまえ、日本の農業界にイノベーションを起こすべく、様々な挑戦をしている。今の事業モデルに転換したきっかけは、東日本大震災だったという。

針生 信夫(株式会社舞台ファーム 代表取締役社長)

約300年前から仙台で農業を営む

その年の稲の収穫を祝い、翌年の豊穣を祈願する収穫祭。約300年前から宮城で農家を営んできた針生家には、古くから、地域の人々が集まって行われる収穫祭の奉納の舞台があった。

福島県浪江町南棚塩地区にある同社圃場

「針生家の屋号は『舞台』で、それが社名の由来です。針生家には代ごとに家計を分ける慣習があったため、それぞれの代で新たなことに挑む気風が根付いていました。私は宮城県立農業講習所を卒業後、20歳で15代目として就農しましたが、自分の代では『収穫量・出荷量を増やすために長時間労働で稼がざるを得ない手法から抜け出し、個人農家が大きくなる仕組みをつくりたい』と思っていました」と舞台ファーム社長の針生信夫氏は語る。

就農後は、生産だけでなく加工、販売までを手掛けるいわゆる6次産業化の先駆けとして事業を広げ、個人農家として1億円の売り上げを達成。2003年に舞台ファーム設立後は、大手コンビニチェーン向けにカット野菜を卸す事業に乗り出し、いかに野菜を品質・供給の両面で安定的に提供できるかを模索していった。

2011年の東日本大震災は、同社にとっても大きな転換点となったという。

「津波による塩害や流失物で農地の地力が奪われ、大量の備蓄米も流出し、たちまち4億円の債務超過に陥りました。この時に『労働時間や生産面積を増やすことで収入増につなげる』という、従来の足し算のやり方では成長が難しいことを実感しました。足し算ではなく、掛け算の仕組みを新たに作りださなければという発想に切り替わったのです」

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