2021年3月号
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SDGs×イノベーション

第4の肉・植物肉が拓く 持続可能な農業と食品産業

井出 剛(DAIZ 代表取締役社長)

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国内外で多くの取り組みが進む植物肉。健康面だけでなく、環境負荷への懸念から植物肉を選択する消費者も増えているという。2015年に創業したDAIZは独自の特許技術で栄養価を高めた発芽大豆から植物肉を生産。食、そして農業を通して地域の持続可能性も追求する。

井出 剛 DAIZ株式会社 代表取締役社長

事業の原点は、水俣の“再生”

DAIZがどのような企業かを知る助けとなるのは、創業者で代表取締役の井出剛氏がかつて手がけていた、有機栽培ベビーリーフの生産・販売を行う果実堂の存在だ。DAIZの母体でもあった果実堂は、熊本の耕作放棄地を活用。700棟の直営ハウスで、年間約700トンが生産されている。

「DAIZと果実堂は、通底しています」と井出氏。核となるのは、果実堂創業の地“水俣”の存在だ。水俣は戦後最大の公害が発生した地として知られるが、重要なのは、その後の“水俣再生”の取り組みだという。そこに影響を受けた井出氏は「事業の原点、そして私にとってのサステナビリティとは、“再生”を意味します」と語る。

「“水俣の精神”を大切に、地球環境を守っていく。そして、ささやかながら植物肉で持続可能な社会の構築に貢献していきたいと考えています」

また食を事業とするにあたり、創業以前の海外視察で見聞きした食の大切さ、医食同源の考え方を意識したと話す。植物肉は生産過程での環境負荷が低いだけでなく、今後世界人口増による食料需要の増大が予想されるなか、健康な体づくりに欠かせないたんぱく質の供給に寄与する。「植物肉で世界中の子どもたちに良質なたんぱく質を届けること」が、DAIZのミッションなのだ。

“経営者は青臭くあれ”

この植物肉の持つ潜在能力を高めたのが、特許取得の独自技術〈落合式ハイプレッシャー法〉。大豆が発芽中のタイミングで刺激を与え代謝促進を図ることで、美味しさと栄養価が向上。味、機能性ともに、肉や魚などの動物性たんぱく質と同等かそれ以上である植物肉をつくりあげた。

井出氏はこの技術について「多くの植物肉メーカーが主たる原材料として採用してきた輸入大豆の搾油残渣、つまり大豆油の搾りかすではなく、“生きた大豆”を使用しているのが特徴です」と説明する。ここにも、食と農業を手がけてきた井出氏ならではのこだわりがみてとれる。

〈落合式ハイプレッシャー法〉の開発者は、井出氏のビジネスパートナーである取締役の落合孝次氏。穀物として眠っている状態の大豆ではなく、いわば目が覚めた発芽中の大豆に目を向けることを井出氏に熱弁した人物だ。

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