瀬戸内の小さな島を活性化 「よそ者」が地域課題を価値に変える
「とびしま海道」の先にある大崎下島の御手洗地区は、かつて潮待ちの港として栄えた江戸時代からの街並みが残る。そこを拠点に事業展開に取り組む井上氏に話を聞いた。
瀬戸内海に浮かぶ大崎下島は、みかんやレモンなど柑橘類の栽培を主な産業とする人口約1800人の小さな島。海岸沿線も26kmほどで、車なら30分で一周できる。
残された町並みを観光地に
その島の東端にある御手洗地区は、江戸時代に海上航路の要衝として栄え、商家や船宿、茶屋、寺社などが立ち並んでいた。中心部は小路が網の目のように張り巡らされ、昭和初期に至るまで繁栄を続けたが、陸上輸送の発展もあり、やがては衰退を迎える。しかし、当時は離島であったことから再開発の波に飲まれることはなく、町並みがそのまま残されて1994年には全国で38番目となる国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された。海岸線には高燈籠や石垣護岸、雁木など港町ならではの土木的建造物も現存し、観光地として認知されることとなる。
今でこそ町並みがテレビCMやアニメの舞台になるなど知名度も上がったが、ほんの10年前までは、まさに知る人ぞ知る静かな観光地。訪れる人は少なく、それこそ御手洗の歴史を知らずに町を歩けば、人もいないこんな田舎の小さな島に立派な屋敷や芝居小屋が残っていることを不思議に思っていたことだろう。
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