2019年5月号
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新規事業の「壁」を越える

事業構想大学院大学で取り組む、イノベーティブな事業構想

谷野 豊(事業構想大学院大学 研究科長・教授)

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新しい事業を発想・構想できる人材を育成するため、2012年に設立された事業構想大学院大学。多様な業界で活躍する講師陣や、構想計画づくりを支援する多様な背景を持つ教員を擁する。企業によるコンテストやアクセラレータとは異なる新規事業を生み出す、大きな可能性がある。

谷野 豊(事業構想大学院大学 研究科長・教授、分子生理化学研究所 取締役)

ビジネスとして成功し、社会で広く受け入れられる新規事業を生み出すにはどうすればいいのか。事業構想大学院大学は、時代を動かす「何か」を見つけ、形にすることができる「事業構想修士」(Master of Project Design、MPD)を養成する大学院大学だ。研究科長を務める谷野豊氏に、事業構想大学院大学における新規事業の構想やその立案について、話を聞いた。

初心者や若者でも
事業の構想が可能

事業構想大学院大学では、2年間の修士課程で、院生自身あるいは自社の事業構想の研究を行い、実現可能な構想計画に落とし込むための教育を行っている。この過程の中で、学生は必要な経営学や専門分野の知識を自ら身に着けていく。修士課程のエッセンスを生かし、企業の新規事業開発に特化したプログラムもある。

その「事業構想」の範囲は広い。継続・発展のための経済的な成果を達成することに加え、社会の一翼を担って役立つことを考え、研究し、それを実現可能な計画に落とし込んで、人々に共感・応援してもらえるようにする段階までだ。大学院としては、事業の場であり生活の場である社会への貢献も重視している。分かりやすくまとめると、MBA(Master of Business Administration:経営学修士)は既存の事業や既存のアイデアを、高度な能力で分析整理し、効率化を図り、いかに利益を最大化するかを目的とした、経営を管理する学問である。それに対して、MPDは、MBAの前段階である、事業の根本のアイデアから発想し、理想となる事業構想を考え、実現可能になるようアイデアを膨らませ、構想計画を構築していく。同大学院では、多種多様な大学の教員、同級生、および修了生のネットワークも含む「仲間」とともに未来を作っていく場や空間を提供している。

谷野氏は、「1年目のカリキュラムは、事業構想の本質的理解や、事業の根本のアイデアをたくさん構想することに加え、学生が自分と向き合う機会を多く設けています。事業の立ち上げでは、多くの困難を乗り越えていかなくてはいけません。そこで大切なのは、自分が心から好きで本当にやりたいと思うことを、楽しみながら、周りの人にも事業の魅力を共感してもらい、協力してもらいつつ、進めて行くことです」と説明する。

事業構想大学院大学において、新規事業を考える利点について、谷野教授は「企業やプロダクトのライフサイクルが短くなってきた現代において、時代の変化を感じる『気づき』や、多種多様な教員・院生とのコミュニケーションから生まれる『閃き、アイデア』をもとに、顧客のインサイトを想像できるようになるカリキュラムであること」という。

大企業や専門機関が運営するビジネスプランコンテストは、自社の経営資源を使って事業化することを考える。一方、事業構想大学院大学の修士課程では、院生が本当に大切にしていることから、構想の動機(Passion)、社会的意義(Mission)など、理想の世の中を想像して、そこを出発点に自由にアイデアを出し、新規事業を構想・実践していくのだ。

事業構想マトリクス

事業構想の4タイプ。事業構想大学院大学では、ソーシャル・アントレプレナーシップ・レベル、イノベーション・レベル共に高い事業を生み出せる人材の育成を目指す

出典:事業構想研究 2018

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