外国人を呼び込む「うどんを作れる宿」 変わる体験観光のかたち
讃岐うどん作りを楽しみ、地域の魅力に触れることができる体験型宿泊施設「UDON HOUSE」。CNNなど海外からも注目され、外国人客が訪れる。UDON HOUSE・原田佳南子代表とMATCHA・青木優社長が、ローカルビジネスの可能性、これからの体験観光について語る。
会社を辞め、地域に飛び込む
青木 UDON HOUSEが生まれたきっかけは?
原田 2016年頃、香川県三豊(みとよ)市で地域商社を設立するプロジェクトがあって、私は楽天のトラベル部門に所属しながら、それに携わりました。初めて三豊市を訪れたのが、2016年の秋。その時、どんな宿があるのかを調べたらほとんど無くて、正直、行く前の期待値は低かった。でも、実際に行ってみたら、瀬戸内の穏やかな海や夕日の風景など、観光資源のポテンシャルはすごくあると感じました。
地域商社の事業として、もともと宿泊業が検討されていて、うどん県だからうどんに特化した宿に、というアイデアも当初から。ただ、誰が担当するのかは決まっていませんでした。
私の中では、地域でビジネスをしたいという想いがずっとありました。それで、2017年3月に楽天を辞めて、自らプレーヤーとして地域に入ることを決めたんです。UDON HOUSEは、私の個人会社とumari(代表:古田秘馬氏)の共同経営になっています。
青木 UDON HOUSEは、空き家だった古民家を改装して、素敵な空間がつくり出されています。
原田 2017年12月に物件を見つけて、2018年2月に着工を始めて、建物がおおかた出来上がったのが同年6月くらい。
私はリノベーション担当でしたが、実は最初は、誰が運営を担うのか、ずっと未定でした。建物が完成していくのを見ながら、古田さんに「誰がやるんですかね?」と話したり(笑)。
宿は24時間365日のビジネスで大変ですから、引き受けてくれる人がなかなか見つからなかった。そうした中で、私がUDON HOUSEに一番愛着があって思い入れも深い。それに宿を運営するうえで、なぜその照明にこだわったのかなど、1つ1つの魅力を語れることは大切です。
すごく悩みましたが、自らが運営者になることを決めました。それは、誰かに頼まれてではなく、自分で決断して自分から言い出さなければならないと思いました。それで、「私がやります!」と言ったんです。
そして2018年10月、本場の讃岐うどん作りが体験できる宿泊施設、UDON HOUSEがオープンしました。
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