コピーライター・仲畑貴志教授 商品の魂を伝えるメッセージとは

商品の魂を伝えるメッセージ
仲畑貴志教授の特別講義 福岡校

「何を言うかも大切ですが、どう言うかがさらに重要。メッセージがチャーミングでないと商品は売れない」

1970年代から第一線を走り続けるコピーライターであり、本学教授の仲畑貴志氏による特別講義が、去る12月15日(土)、福岡校で開催された。広告界ではよく知られたエビフライのしっぽ理論(物事は機能する部分だけを書いたのでは伝わりにくいことの比喩)が飛び出すと、感激した様子の院生の姿もみられた。

「空っぽの中からでは何も出てこない。アウトプットをするために、日常何をインプットするか、それには自分の好きなことを徹底的にやるといい。好きなことだからやれる。でも、その好きという気持ちに苦みが発生するまで、嫌になるほど徹底してやり続けると何か得ることができる。そういう中で相手の心を思い至る力を磨いていくことが成長につながります。院生の皆さんには貪欲なまでに(あえて)金儲けを意識して、勝負に絶対に勝つという力を身につけてほしい。その力が皆さんの事業構想の実現の源になります」。仲畑教授から院生へ力強いメッセージが語られた。

仲畑教授のユーモラスな中にも示唆に富んだ講義から、院生は大きな刺激を受けた。福岡校の院生からは「仲畑先生と近い距離で対話形式の講義は、とても濃密な時間で、多くの気づきを得た」などの感想が聞かれた。

講義する仲畑貴志教授。

講義当日は活発な質疑が交わされ、時間を超過する盛況となった。

 

院生の声

業界構造の刷新へ食で未来創造

今富 信至(いまとみ・のぶゆき)
ルートアンドアクティベーション 代表取締役
大阪校1期生(2018年度入学)

経営する会社で「『食』を通して未来を創造する」をコンセプトに外食ロモーションやニュースメディア『フードスタジアム関西』の運営、大阪フードソニックなど、食と掛け合わせたライブ音楽フェス(フードフェス)を実施しています。

外食業界全体が他店の模倣や収益の上がりにくい構造に陥り、面白さを失いつつある現状に課題を感じていました。大学院では、一芸に秀でたスペシャリストや熱意あるサポーターなど地域の人脈をつくり、顧客層を観察するなど実地のマーケティングを積み重ね、各地にフードフェス事業を拡大する構想を練っています。地域で活動するミュージシャンの力を外食産業に活かし、未来を盛り上げたいと考えています。

 

地域に役立つマルチサイド
プラットフォームの実現を目指す

藤田 知子(ふじた・ともこ)
NTTアド 九州支店兼グローバルビジネス推進局
地方創生推進室 担当課長
福岡校1期生(2018年度入学)

所属する会社で地方創生の仕事を担当する中で、地域と企業のプロフィットのマッチングの問題や、多岐にわたるステークホルダーの調整困難に直面し、その最適解を求めて入学しました。また、地域におけるデジタルマーケティング事例を、経済団体や大学でお話しさせていただく機会が増えたため、さらに見識を深めたいという思いもありました。

社会人経験を経て改めて向き合うリベラルアーツの学びは新鮮です。年齢や職業の違う院生たちへ高い熱量を持った先生方が多様な道筋を示してくれることが魅力です。

自身の構想では、IoTやAIの技術を活かした地域の役に立つマルチサイドプラットフォームの構築を目指しています。所属する企業グループのアセットを活かしながら、変動する世の中に呼応した事業を実現したいと思います。