2019年2月号
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福岡のイノベーション力

世界の食糧危機を解決 日本発のイエバエ技術

串間 充崇(MUSCA 代表取締役会長)、流郷 綾乃(MUSCA 暫定CEO、Bases 執行役員)

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気候変動や食物連鎖の異常で、食糧危機が叫ばれる未来の世界。この課題解決に資する種は、宇宙開発技術にあった。社会課題解決を目指す、イエバエを活用した昆虫テクノロジー企業「MUSCA」に話を聞いた。

串間充崇 MUSCA 代表取締役会長

地域活性を志す先代から
旧ソ連の宇宙開発技術を承継

45年前、火星への有人宇宙飛行には4年かかると見積もられていた頃、宇宙船自体は容積が狭いために、大量の食物は搭載できず、船内に食物連鎖のエコシステムを構築する必要があると考えられていた。そこでソ連が目を付けたのがイエバエだった。

MUSCAのイエバエは社会課題を解決する

MUSCA(ムスカ)はソ連の宇宙開発技術に由来するイエバエを、45年1100世代という長い交配を重ねて品種改良を行い、優秀な個体だけを選別。肥料・飼料化を処理できるイエバエの機能により、世界の食糧危機解決に貢献することを目指している。では、なぜMUSCAは旧ソ連の技術を今、保有しているのか。代表取締役会長の串間充崇氏は次のように語る。

「先代社長である小林は旧ソ連で、宇宙開発や軍事など民間応用できそうな興味深い技術を日本に売る技術商社的な仕事をしていました。ロシアの科学者たちの間で評判が広がり、20年前に千数百件の中からイエバエの技術も日本に持ち込まれました。

小林は当初、現業のような大規模工場展開ではなく『完全循環型・農園型まちづくり』を構想しており、実際に農園づくりに取り組んでいたのです。特徴ある付加価値の高い製品をつくるうえでは、誰も真似できない『よい肥料・飼料』が必要です。それを使って育てた家畜や魚がブランド化できると発想したのです」

こうして、厄介者の生ゴミや畜産排泄物をイエバエが1週間で処理することにより、ゴミから飼料と肥料が生み出される。いずれも高い付加価値があり、農水産・畜産にも貢献できる仕組みが日本に誕生した。

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