ジビエがインバウンドの起爆剤に 「害獣」を活用する逆転の発想

シカやイノシシなど野生鳥獣による食害が社会問題となっている。ジビエを事業化しようとする動きも増えているがノウハウ不足等から、成功例は未だ少ない。ジビエのマーケティング戦略に精通する西村直子氏に、世界では高級食材として扱われる「ジビエ」のビジネス化のポイントについて話を聞いた。

西村 直子(ヌックスキッチン代表)

日本の野生鳥獣による食害問題は深刻で、2016年度の森林被害面積は約7千ヘクタール。農作物被害金額は約172億円、被害面積は6万5千ヘクタールとなっており、種別にみるとシカとイノシシによる被害額が突出している。そんな中、ジビエをビジネスとして成立・成功させるためのエキスパートを養成する「ジビエビジネスアカデミー」が高知県に誕生した。

代表の西村氏は、鹿の養殖が一大産業であり、シカ肉ジビエがポピュラーに食されているニュージーランドのレストランで12年間勤務し、倒産直前だった店をローコストで再建させた手腕の持ち主。故郷・高知県の食害問題を知り、高知産のシカ肉を食べてみたところ「衝撃を受けるほどのおいしさだった」ことから、2009年よりジビエ振興に取り組むようになった。2014年からは大学院に通って日本におけるジビエ普及のためのマーケティング戦略を研究。

その中で浮かび上がった課題を解決し、日本各地の野性鳥獣による食害問題を解消につなげる活用方策を提案することがジビエビジネスアカデミーで目指すところだ。

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