広大な砂浜がトレーニング場 サッカー練習で地域活性化
2011年度からサッカーを中心にスポーツツーリズムによる観光まちづくりを進める高知県黒潮町。合宿の誘致と、地元の観光資源を組み合わせた誘客について、NPO法人砂浜美術館理事長の村上健太郎氏が紹介した。
黒潮町は、高知県の西南地域に位置する。高知県立土佐西南大規模公園のスポーツ施設や、雨が少ない温暖な気候、延長4kmにわたる名勝・入野松原海岸(左下写真)を生かして、サッカーなどの合宿誘致に力を入れ、スポーツツーリズムによる宿泊者数は、2011年度の延べ357人から、2016年度には8500人以上に増加した。既存の天然芝のグラウンドに加え、2017年7月には人工芝のグラウンドを整備。砂浜美術館は指定管理者として、これらのグラウンドを管理運営している。
合宿・大会の誘致では、助成金取得のサポートから、お弁当の手配、練習相手の調整なども引き受ける。また、地元事業者と協力し、合宿で訪れた人を、天日塩づくりの体験や、土佐鰹を提供する飲食店など、地域の他の観光資源に誘導する試みも実施している。「スポーツを介した観光振興は成功しており、オンシーズンには、町内の宿泊施設だけでは間に合わないほど。現在の課題は通年観光化」と、村上氏は話した。