企業の必需品「胡蝶蘭」に照準 障害者賃金を10万円に高める方法

障がい者雇用を巡っては、工賃の低さや企業の雇用率の低さなど、様々な問題が存在する。千葉県のNPO法人AlonAlonは、法人需要の大きな「胡蝶蘭」を栽培する独自のビジネスモデルで、この問題に挑もうとしている。

那部 智史 NPO法人AlonAlon理事長

千葉県富津市に2017年にオープンした「AlonAlonオーキッドガーデン」は、知的障がい者が胡蝶蘭を栽培する就労継続支援B型事業所だ。オープンからわずか数カ月間だが、大企業や自治体関係者の視察が途絶えることはない。この施設が注目を集める訳は、障がい者の給与アップや企業の障がい者法定雇用率達成支援に繋がる、独自のビジネスモデルにある。

AlonAlonオーキッドガーデンで育つ胡蝶蘭

障がい者福祉の3つの課題

この施設を運営するNPO法人AlonAlonの那部智史理事長は、もともと東京でIT企業を創業・経営していた。上場企業に会社を売却後、千葉県いすみ市でサーファー向け賃貸アパート経営を行いながら、障がい者雇用問題に取り組み始めた。

「私の息子は最重度の知的障がいを持ち、会話をすることも困難です。子どもの未来を考えて知的障がい者施設を数多く視察し、構造的に問題を抱えた業界だと気づきました」

那部氏は「現在の障がい者福祉(就労継続支援)には3つの問題がある」と指摘する。一つ目は工賃の低さ。厚生労働省の調査によれば、就労可能な障がい者の平均月収はわずか1万5,033円(2015年度)。障がい者年金を加えても、生活を自立させるのは困難だ。

二つ目は、施設職員の待遇の悪さ。作業所生産物の売上はすべて障がい者に還元され、職員の給与は国からの給付金に依存している。事業所の維持費などを差し引くと、職員給与は1人当たり300万円程度。障がい者施設でトラブルが頻発するのは、こうした将来が見えない環境が一因だと那部氏は見ている。

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