2017年11月号
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地域特集 三重県

人気萬古焼ブランド「かもしか道具店」を生んだ脱サラ社長の手腕

山口 典宏(山口陶器社長)

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萬古焼の窯元、山口陶器が2014年に立ち上げたブランド『かもしか道具店』が人気を集めている。ブランドを企画したのは、28歳で脱サラし家業を継いだ山口典宏社長。「誇りある産地を次代に繋げたい」と語る山口氏の、ユニークな経営哲学とは。

山口典宏 山口陶器社長

三重県を代表する伝統工芸である萬古焼。四日市市・菰野町エリアに集積する窯元のつくる食器や急須は、国内だけでなく海外でも親しまれており、中でも土鍋・ごはん釜の生産額は国内シェア70%以上を占める。

「萬古焼は研究熱心な産地として知られています。四日市市や菰野町は陶土が採れるわけでもなく、商品と技術で差別化する必要がありました。そうした努力から、陶土にペタライト(耐熱原料)を混ぜて焼成し、陶磁器の耐久性を高めるという産地独自の技術が生まれ、土鍋・ごはん釜領域での躍進に繋がりました」

そう語るのは、菰野町の窯元、山口陶器の山口典宏社長。同社はもともと問屋に商品を納める下請け業であったが、2014年にオリジナルブランド『かもしか道具店』をスタート。工芸製造・流通大手の中川政七商店でも取り扱われるなど順調に販路を伸ばし、ブランド立ち上げから3年で、自社だけでは生産が追いつかない状態だ。

「儲けたいというより、産地を残したい。僕はこの仕事と産地に誇りを持っているし、自分の娘か誰かに『継ぎたい』と言われたとき、NOと言いたくない。そのために産地ブランドをつくったのです」

「かもしか道具店」の売れ筋であるごはん鍋

家業から企業へ

山口陶器は、町役場職員だった山口氏の父が1973年に創業。高度経済成長期に萬古焼は飛ぶように売れ、山口陶器のような新規参入も相次いだ。しかし、その後は安価な輸入食器に押され、産地は衰退。四日市市・菰野町エリアに最盛期で270社あった窯元は、現在50社程度にまで減少した。

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