「デザインも大事」から「デザイン=経営」へ ヤマハ発動機の改革

二輪車世界大手のヤマハ発動機は、デザインを経営のコアと位置づけ、2012年にデザイン本部を設立するなど体制強化に取り組んできた。トヨタ自動車を経て2014年からヤマハ発動機デザイン本部長を務める長屋明浩氏に取り組みを聞いた。

長屋 明浩(ヤマハ発動機 執行役員デザイン本部長)

デザインが経営と直結する企業に

二輪車をはじめ、マリン製品、スノーモービル、電動車いす、産業用無人ヘリコプターからプールまで、多岐にわたるモノづくりを展開しているヤマハ発動機。そのプロダクトはどれも造形美に溢れているが、意外にも、同社には数年前までデザインを統括する組織がなかったという。

2010年に社長に就任した柳弘之氏は、〈コンセプト・技術・デザイン〉を経営の3本柱とし、特にデザインを経営のコアと位置づけ、2012年にデザイン本部を設立。本部長として、トヨタ自動車でレクサスブランド企画室長やデザイン部長を歴任してきた、長屋明浩氏を招聘した。

「"デザインも大事"と言う企業はありますが、"デザインが経営のコア"と言い切る企業は多くありません。デザインが経営と直結している企業、それがヤマハ発動機なのです」と長屋氏は述べる。

なぜデザイン経営が重要なのか。長屋氏は、「自動車におけるユーザーの購買要因は、世界どの国でも『価格、デザイン、燃費』が上位3位」と例示し、こう続ける。

「価格、燃費にはレンジがありますが、デザインに限界はありません。デザインは事業の根幹、販売に直結するファクターであり、それをマネージすることは極めて重要です。私の役割は経営・組織・ブランドとデザインを有機的に繋げていくこと。すなわち、経営デザインだと考えています」

デザイン本部は、メンバーのうち55%が非デザイナーだという。企画やコーポレートデザイン、ブランディングなどの機能を持ち、いわゆるプロダクトデザインだけでなく、広範囲な領域までデザインと定義しカバーしているのが大きな理由だ。

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