企業と大学がリスクシェア 産学連携を加速する「大学発VC」

研究や技術の事業化では、研究ステージと開発ステージの間の「魔の川」や、開発ステージと事業化ステージの間の「死の谷」などさまざまな課題がつきまとう。産学連携の可能性を広げるために、ベンチャーキャピタルを設置する大学も登場している。

京都大学イノベーションキャピタルは、京都大学出資で2014年に設立 Photo by Soraie8288

八木 信宏(京都大学イノベーションキャピタル投資部プリンシパル)

長期的視点でベンチャーを育てる

京都大学イノベーションキャピタル(京大iCAP)は、京都大学の100%出資子会社として2014年12月に設立されたベンチャーキャピタルだ。「京都大学における知」を活用した起業を支援することを目的に、京大と機関投資家からLP出資を受け、2016年1月にベンチャーファンド「イノベーション京都2016投資事業有限責任組合」を組成した。

ファンド規模は約160億円。京大の研究成果を基にしたベンチャー、京大と企業の共同研究を基にしたベンチャー、京大の知を活用するベンチャーに対して、シード・アーリーステージの段階から支援・出資を行う。

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