2017年7月号

MPDレポート

異分野の「かけ合わせ」で、更なる創発を促すクロスゼミ

月刊事業構想 編集部

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異分野の組み合わせにより創発を促す「クロスゼミ」

事業構想大学院大学では、今年度から新しい演習形式として「クロスゼミ」を導入した。背景には修士2年次に進級後も、教員との接点を活発にする目的がある。各自のテーマのみを柱にして研究を進めると、テーマが個別的に分散してしまうが、クロスゼミによって共通の要素や土台を設けると、集団での議論や対話を経て一定の示唆を得ることができ、個別研究の新しい展開や発展性を高める効果がある。また重複するが、問題設定やリサーチ・デザイン上も、問題設定が充分掘り下げられない段階で構想が進展し、思わぬ行き詰まりをみせた際も、途中で研究進捗を調整し梃入れが図れるようになる。

テーマゼミは、各人の報告に「×テーマ」という位置づけで、自分自身の事業領域にテーマをかけ合わせると何が生まれるかを追求する。テーマに関する掘り下げはもちろんのこと、意外な領域にテーマをかけ合わせることで、新しい構想を構築することを狙いとする。特に複数教員態勢を取って「かけ合わせ」の効果を強化する。

2017年度の開講科目は「×デジタル」(デジタル時代の課題、データ利活用、知識活用、人工知能・IoT等)のほか、「×サービス」「×健康長寿」「×地域活性」「×マーケティング市場創造」の五つ。大学院生の報告を主体に複数の教員が授業を担当し、異分野や異業種からの新しい視点を加え、高い水準での創発を促すことを狙っている。

院生の声

問い掛ける姿勢を忘れず共に学んで考え抜く

前田安正(まえだ・やすまさ)
朝日新聞社メディアプロダクション 校閲事業部長
未来交創 ビジョンクリエイター
5期生(2016年度入学)

これまで受けてきた教育のなかで、「勉強」の面白さを最も味わえたのが本大学院です。中でも教授陣が院生に問いかけるスタイルは自ら思考する姿勢を求められますし、またその問い掛けも刺激的で知的好奇心をそそられます。例えば「バングラデシュで起業する」という一言は、一見驚きますが、その中に社会的課題の発見にまつわる大切な示唆が含まれています。

受験勉強が中心を占める日本の教育では、多くの場合「減点主義」を重視し、不得意分野を減らすことが求められます。逆に本大学院では「長所を見つけ伸ばすことが強み」だと学びました。この感覚は、「どうしたら自身の構想が成長するか」を考える推進力になります。ただし、逆説的ですが「皆が良いと言ったものは大抵ダメ」なんですね。常に問い直す姿勢を忘れずに考える必要があります。また、良いアイデアを持っていても、コミュニケーションの段階で頓挫することは少なくありません。

この春に、著書『マジ 文章書けないんだけど』を大和書房から上梓しました。この本は、自分の考えを文章にまとめ、表現し伝達する総合的な手法を、「文章コーチング」という形で提案しています。単に文章技術としてではなく思考方法を説いています。事業構想大学院大学で学んだことが随所に生きています。授業を通して知り合った5期の仲間とコラボして作ったこの本は、本の企画自体が一つの「事業構想」であり、この本をきっかけにして様々なワークショップやマルチメディア展開など、将来の取り組みが拓ければ良いと考えています。

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