「流しの公務員」のキャリア術 霞が関を捨て、現場を渡り歩く

「仕事とは、“人”に仕えるのではなく“事”に仕えること」。キャリア官僚でありながら、自ら望んで地方自治体の現場に出向。地域の問題解決に挑むプロフェッショナルが、自身の仕事術、キャリア観を語る。

自称「流しの公務員」。山田朝夫氏はいくつもの地方自治体の現場で、成果をあげてきた元キャリア官僚だ。1986年に自治省(現・総務省)に入省後、他の官僚と同じように、霞が関や県庁で勤務。しかし1997年、大分県久住町(現・竹田市。当時の人口約4700人)への赴任で、大きな転機を迎える。

キャリア官僚が町村に出向するのは稀有だったが、山田氏は自ら希望し、キャリア官僚として初めて町の一般職となった。

「霞が関や県庁と、現場の市町村の意思疎通が図れていない感じがしたんです。みんな一生懸命だけど、何かズレる。制度をつくる人は現場に出ないし、現場の人は広い視野で考えられない。真の意味で“問題解決”をしようと思うと、町役場に赴任し、しかも一般職として現場の最前線に立つべきだと考えました」

山田 朝夫(社会医療法人 財団新和会 八千代病院 理事 兼 法人事務部長)

自身の強みは「多様な経験」

しかし、前例のない異動の願いは周囲の反対にあった。

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