世界のTech系スタートアップが狙う、医療・ヘルスケア新市場
高齢化や人口増、中間所得層の拡大などを背景に、世界中で医療・ヘルスケアのマーケットは拡大している。各国の技術系ベンチャーによる最新のビジネスアイデアをレポートする。
世界14の国と地域から、技術系ベンチャーが集結してビジネスプランを競う「アジア・アントレプレナーシップ・アワード2016」(主催:一般社団法人フューチャーデザインセンター、共催:三井不動産、日本経済団体連合会等)が、6月に東京と千葉で開催された。
IoT、ディープラーニング、バイオテクノロジー、交通インフラ、教育、食品など幅広い領域から27社がエントリーしたが、最終プレゼンテーションで目立ったのは、医療・ヘルスケア分野の事業アイデアだ。
背部痛を緩和する新技術
台湾のGimer Medicalは、背部痛という市場に着目した。背中の痛みは軽度から重度のものまであり、世界で約5000万人の患者が存在するという。薬剤による痛みの緩和や手術など、治療方法は様々だが、慢性背部痛の治療法としては1960年代にSCS(脊髄刺激療法)が開発された。これは電極を脊髄近くに埋め込み、電流による刺激で痛みを緩和するシステムだ。Gimer Medicalが開発したのは、画期的なSCS治療器「ニューロブロック」である。
「従来のSCSは10キロヘルツ以下の周波数を使うのに対して、ニューロブロックは200-800キロヘルツの周波数を使用します。この非常にユニークなパラメーター設定を発見できたことが私達の強みです」とGimer Medical のSharon Fan氏は話す。
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