「バス」再生、地域に人を呼ぶ 公共交通は人・モノのシェアリング

2015年6月、人とモノを同時に運ぶ「貨客混載」のバスが岩手県内を走り始めた。ヤマト運輸と共同で、この取り組みに臨むのが岩手県北自動車。松本社長は、各地でバス事業の再建に辣腕をふるい、新たな移動需要を創出している。

貨客混載の「ヒトものバス」は、専用車両を開発することで実現。

地方では、路線バスなどの公共交通は欠かせない移動手段だ。しかし、人口減少などで路線網の維持が困難になるケースも増えている。また、物流業界でも、ドライバー不足などが大きな課題となっている。

岩手県北部を主な営業エリアとするバス会社・岩手県北自動車とヤマト運輸が、こうした課題を解決するソリューションを生み出した。2015年6月にスタートした貨客混載の「ヒトものバス」だ。人とモノを同時に運ぶ、いわばシェアリングエコノミーの一形態である。

妥協してでも実現を最優先

「ヒトものバス」の実施にあたっては、路線バスの後方座席を減らして荷台スペースを確保した専用車両を独自に開発。スタートしてから約半年、路線バスを使って宅急便を輸送することで、両社ともに効率化を実現している。

岩手県北自動車の松本順社長は、ヤマト運輸からこの話が来た時、「願ってもない話、実現に向け万難を排してやります」と即決したという。

「グループ会社の福島交通では、その半年ほど前から、バスの座席に農作物を載せて運ぶ小規模な貨客混載を行っていて、それを大きく展開する機会を探していたんです。『ヒトものバス』の実現に向けては、路線バスの運行ダイヤの都合がある一方で、ヤマト運輸さんにも、荷物を運ぶのに最適な場所や時間帯があります。どのタイミングで荷物を載せて、降ろすのがいいのか。お互いに自社のベストに固執していたら、話がまとまりません。現場には『妥協してでも、実現することを最優先に』と明確な方針を示し、成立にこぎつけました」

岩手県北自動車は、東北や関東で6つの公共交通会社を傘下に持つ、みちのりホールディングスのグループ企業の一つ。貨客混載バスは、今後、他の地域にも広げていく計画だ。

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