2015年10月号
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プロジェクトニッポン 徳島県

ビール工房をつくった衛生検査会社 地方企業×地域活性化に商機

田中達也(スペック 代表取締役)

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今年5月、徳島県上勝町に小さなビール工房がオープン。仕掛けたのは、県内の衛生検査コンサルティング会社だ。全くの異業種が、地域活性化事業に取り組むのは何故か。

ブルワリーの外壁は町内の製材所で出る端材、通路に敷かれたレンガは、廃材レンガを再加工する際に出る規格外品を、再々利用

店内を照らす巨大なシャンデリアは空き瓶で作られ、棚も古い箪笥をリメイク

上勝町に生まれた新名所

四国で一番小さな上勝町には、ゴミ焼却場もなく、ゴミ収集車も走っていない。ゴミは各自が集積所に持ち込み、資源として再利用可能な34分別に従って廃棄する。浪費や無駄を省き、ゴミを出さないシンプルな暮らしにこそ本当の豊かさがあると、東京オリンピックと同じ2020年までに焼却・埋め立てゴミをなくすことを目指し、2003年に全国に先駆けて「ゼロ・ウェイスト(ごみゼロ)宣言」をした町としても今、注目を浴びている。

その町に今年5月、『RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store』がオープンした(以下『R&W』)。クラフトビールの醸造所とテイスティングスタンド、BBQガーデン、ゼネラルストアで構成された施設は、上勝町が取り組むゼロ・ウェイストの活動を背景に、リユース、リデュース、リサイクルの取り組みを洗練されたデザインで提言。ゴミ集積所にあった家具や資材を積極的に活用することで、ゼロ・ウェイストの活動そのものが、クリエイティブで格好良いと、インパクトをもって伝えている。

クラフトビールのブルワリー

ここで製造されるクラフトビールにも、その思想が反映されている。上勝町特産の柑橘柚香(ゆこう)は、ぽん酢等の原料として果汁だけ搾って利用されているが、その際に廃棄される皮をビールの香り付けとして活用した。ほんのり甘い香りが爽やかだ。

できるだけゴミを出さないよう量り売りを先行して始め、容器は持参してもらうよう、リターナブルボトルでの販売は1リットル 4800円(税抜)とあえて高めの設定に。しかし「ボトルが可愛い!」とたちまち売り切れ、続いて販売した330ml入りのボトルビールの売れ行きも好調。このビールを目当てに上勝町を訪れる人達が確実に増えている。

町民と来訪者の交流スペースとして、BBQガーデンも整備

衛生検査会社が地域活性化に取り組む理由

R&Wの代表を務める田中達也氏は、徳島市内の食品衛生コンサルティング会社スペックの社長も兼任している。1970年創業のスペックは、食品メーカーを主なクライアントに食品細菌検査や臨床検査サービスを展開してきた。

スペックは食品メーカーなどに細菌検査や臨床検査サービスを展開

なぜ、衛生検査会社が地域活性化事業に取り組むようになったのか。

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