未知の繋がりから「飛躍」を生む 共創型オープンイノベーション

なぜ今、オープンイノベーションが注目されているのか。電通国際情報サービス・イノラボ所長として数多くのオープンイノベーションプロジェクトに関わってきた、渡邊信彦氏(事業構想大学院大学客員教授)に聞いた。

イノベーションサイクルの短縮

オープンイノベーションが注目される背景には、製品やサービスの開発期間を短縮しなければという企業の危機感があります。

1人が思いついたアイデアは、実は同時に世界中で数百人が思いついています。ビジネスに国境がなくなった今、事業化のリスクを考えて立ち止まった瞬間、他社に先を越されてすべての成果を奪われてしまう。昔は3年かけて開発していた製品は、今や半年で完成させる必要があります。そして、やってみなければわからなく、やりながら調整することが求められる時代です。企業が自社内の資源だけで製品を開発することは、これまでは競争力だったかもしれませんが、今では成長の阻害要因になっています。

イノベーションの速度を高めるためには、自社ですべてやるのではなく、他社と手を組む必要があります。小さな資金と期間の中で、事業化に挑戦し、失敗したらすぐに諦める。そうして早く製品を出していくことが一番重要です。だからこそオープンイノベーションが注目されているのでしょう。

渡邊信彦(事業構想大学院大学 客員教授、ジャパンネクストジェネレーション 代表)

協働型と共創型

オープンイノベーションの定義ははっきりとしていませんが、大きく2つのタイプに分かれます。自社内に足りない技術を外部に広く求める「協働型」と、技術やノウハウを異分野の企業や人の力を活かして新事業へと昇華させる「共創型」です。

「協働型」の歴史は長く、国内外でさまざまな事例があります。P&Gがイタリアの小さなパン屋と一緒に、ポテトチップスの印刷技術を確立し、大ヒット商品を生んだ例が有名です。しかし、仕入先を閉鎖的な環境からオープンにしただけで、従来の製品開発と本質は何も変わっていません。連携も同業種内が多く、そこから大きな飛躍は生まれないのです。

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