技術を伝承、ひきこもりを職人に 伝統工法の匠が挑む

江戸時代に創業し、県内で唯一、伝統技術の「檜皮葺」を手掛ける「ひわだや」。社長の佐々木真氏は、山口市の瑠璃光寺五重塔や、厳島神社、太宰府天満宮などの屋根の改修に携わってきた。そして、今、「ひきこもり」の若者への技術伝承にも力を注ぐ。

ヒノキの皮を精製した材料を、竹釘を使って打ち止めていく屋根建築の工法「桧皮葺」。佐々木氏は、県内で唯一の檜皮葺の担い手

佐々木 真 ひわだや 代表取締役

寺社の屋根などに用いられる「檜皮葺」と呼ばれる、日本古来の屋根技術工法がある。これは、ヒノキの皮を成型した材料を、竹釘を使って打ち止めて屋根をつくるもので、京都御所や清水寺など、日本の代表的な寺社仏閣に採用されている。その歴史は1000年にもおよび、平安時代には現在の工法が完成していたという。

伝統を受け継ぐ者の矜持

佐々木真氏が代表取締役を務める「ひわだや」は、江戸時代の天保年間(1830年代)に創業。以来、この技術を代々受け継ぎ、山口県内で唯一の檜皮葺の担い手となっている。

佐々木氏は高校を卒業後、選定保存技術「檜皮葺・柿葺」保持者の大西安夫さんに師事。24歳のときに家業を継いだ。これまでに、山口市の国宝・瑠璃光寺五重塔、国の重要文化財・龍福寺本堂、厳島神社(広島県)や太宰府天満宮(福岡県)など、西日本を中心に国宝・重要文化財の屋根の改修に携わってきた。

師匠からは「一生修行」と言われた仕事。相手は自然素材だけに、何一つとして画一化された作業はない。すべては経験がものを言う世界だ。

「屋根の美しさの決め手は『線』です。最近になって、ようやく納得できる線を描き出せるようになりました」

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