地方創生 「ブーム」で終わらせないために必要な視点
9月、『まち・ひと・しごと創生本部』が安倍首相の肝いりで設置された。人口減少克服、地方創生という課題に省庁横断で取り組むというこの組織。地方創生を一過性のブームで終わらせないために、必要な視点とは何か。
戦後、日本は、東京に人を集めることで経済成長を遂げてきた。東京の経済成長が日本全体の経済成長を支えてきた。
しかし、東京への人口集中が国の想定を上回って高水準を維持し続けたため、少子高齢化が進む現在、地方都市の持続性が低下するという問題を生んでいる。特に若者や女性の地方からの流出は深刻で、歯止めをかけることが喫緊の課題だ。
一方で、2001年以降、東京への人口の一極集中が加速しているにも関わらず、日本経済は衰退している。東京中心の経済成長モデルは限界とも言え、今後は、地域経済を自立させること、地方が成長する活力を取り戻すことが重要になる。
このために9月12日、安倍首相を本部長として設置されたのが『まち・ひと・しごと創生本部』だ。(1)若年層の就労・結婚・子育て支援、(2)東京一極集中の歯止め、(3)地域課題の解決、といった基本方針のもと、民間有識者を交えて方策を議論し、年内に長期ビジョンと総合計画を提出する。
公共事業型は効果なし
具体的な政策が明らかになるのはこれからだが、地方企業の支援では、中小企業地域資源活用促進法の改正や、政府調達における地域の中小企業製品の優遇などが検討されているようだ。創生本部には大きな期待が集まる一方で「過去のバラマキ政策の二の舞いになるのでは」という懸念の声もある。どのような政策が望まれるのか。
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