デザインの源泉は経営にあり

デザインをすることは、企業のブランドや理念、存在価値を問い直すことでもある。数々のプロダクトを手掛けるデザイナー・田子學氏は、「デザインこそ経営である」と、デザイン・マネジメントの重要性を語る。

  

キョーワナスタのランドリー商材ブランド「nasta」。コンセプトは「ハレのある洗濯」。洗濯は退屈なものであるという価値観を転換。洗濯によって気分をリセットし、明日につなげる、希望を感じさせるもの、という思いが込められている
©KYOWA NASTA Co.,Ltd

一見、北欧のインテリアブランドかと思うほど洗練されたデザインの洗濯クリップや物干し、ハンガーといったランドリー商品の数々。現代のライフスタイルの変化に合わせた機能性も備え、洗濯の時間が楽しくなるようなアイデアが実現されている。これらはすべて、85年の歴史を持つ老舗の住宅金物メーカー「キョーワナスタ」の新商品だ。

住宅着工数は頭打ちの状況にあり、住宅金物業界の下請けメーカーは、厳しい経営環境に直面している。そうした中で、キョーワナスタは、自社が80年培ってきたものを終わらせたくないという自負や誇りを持つ社員たちが、熱意を持って次につなげる何かを模索していた。

田子 學
MTDO代表取締役
アートディレクター/デザイナー

企業 わるデザイナー、MTDO(エムテド)代表・田子學氏に声がかかったのはそんな時だ。

田子氏は多くの企業に関わる中で、モノをデザインするだけでなく、「この会社はどうあるべか」、「この会社と関わると、人はどのように幸せになれるのか」といった視点こそ、ブランドの存在価値を問い直すためには必要だと感じるようになった。

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