「1行の戦略」が時代を動かす

熱狂的なストーリーは、常に魅力的な言葉から始まる今、リーダーに求められるのは、自らが見たい未来を言葉で表現し、変革の方向性を指し示す「言葉の経営」を実践することだ。

細田 高広
TBWA\HAKUHODO
クリエイティブディレクター

スティーブ・ジョブズ、井深大、ココ・シャネル...。世界をガラッと変えた商品を生んだ人はみな、未来を魅力的な言葉で語っていた。そんな言葉が持つ力に着目し、経営に活かすことの重要性を説く人物がいる。

TBWA\HAKUHODOに所属し、企業のビジョン開発や企業マニフェスト、新規事業や新商品コンセプト立案を手掛けるクリエイティブディレクター、細田高広氏がその人。広告の仕事だけでなく、さまざまな企業の経営会議などに参加するうちに、細田氏は、魅力的な言葉が必要なのは、広告を制作する前の段階であることを痛感するようになった。

「そもそも企業や事業のビジョンづくりは、経営活動の中でいちばんワクワクし、人の心を動かす刺激に溢れたものであるべきです。ビジネスそのものの推進力となる言葉は、広告よりも経営にこそ不可欠です。しかし、それを魅力的かつ具体的に語れるビジネスリーダーが今の日本には少ない」

「数字の経営」から
「言葉の経営」へ転換せよ

たとえば、アップルの「Think Different」は、自由な発想を大事にしようというスティーブ・ジョブズをはじめとする経営者のビジョンから生まれた。その言葉は、やがて周囲を巻き込み、会社を動かし、商品が誕生し、顧客の心をつかんで時代を変えた。また、ソニー創業者の井深大氏は、自社商品の理想像を「ポケットに入るラジオ」と鮮やかな言葉にしたことで、イノベーションを起こした。

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