消費者ニーズをつかんだ業態進化

セブンイレブン、ユニクロという日本の小売業界を代表する2社は、顧客のニーズに対応するだけでなく、潜在的なニーズを掘り起こすことで事業拡大につなげてきた。

小売業界は、消費者の移ろいやすい趣向に直面し、常に業態の変革を求められている業界だ。それだけに、浮沈も激しく、主役が頻繁に交代する。お店の表面的な目新しさだけでは、優位性は維持できないのである。一方、本当の意味での革新を起こした企業は、着実に、長期間にわたって成長を持続させている。革新企業の代表といえるセブン-イレブン・ジャパン、ユニクロ、アマゾンの売上げは右肩上がりで伸び続けている。なかでも、アマゾンの近年の売上げの伸びには目を見張るものがある。直近一年だけで、売上高は1兆2000億円もの「増収」をとげ、ほぼ楽天の年間流通総額を作り上げてしまった。

一般的に、小売業の競争力は、①価格競争力、②利便性、③楽しさ(品揃え、サービス、専門性など)、の3つの要素の組み合わせで実現される。強い小売業は、これらのうち少なくとも1つ、多くの場合は2つを実現している。たとえば、コンビニエンスストアは②の利便性で市場を席捲したし、ユニクロは圧倒的なバリュー(価格と品質のバランス)で衣料品業界を制した。アマゾンはいうまでもなく、価格、利便性、楽しさを高度にバランスさせた事例といえるだろう。

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客層拡大で進化するセブンイレブン

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