京都フュージョニアリング 世界初の核融合発電試験プラント建設へ
京都フュージョニアリング(京都府宇治市)は2022年7月6日、核融合発電試験プラント「UNITY」の建設プロジェクトに着手したと発表した。2024年12月に世界初となる発電実証試験の開始を目指す。核融合は世界のエネルギー問題を根本的に解決し得る究極のエネルギー源として長年研究が重ねられてきたが、核融合発電システムの試験施設はこれまで世界に存在していない。世界に先駆けた実証で、国内産業の発展への貢献を目指す。
京都フュージョニアリングは核融合特殊プラント機器の開発に特化したエンジニアリング企業で、京都大学の核融合研究成果を生かして2019年に設立。プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器、水素同位体ポンプを始めとした先端核融合工学分野において世界有数の技術力を有している。
核融合発電試験プラント「UNITY」では、核融合発電の実用化に不可欠な熱取り出しや発電に用いられる特殊プラント機器群を、実環境に近い条件下で統合的に開発試験することを目的に建設する。すでに基本設計を終え、現在国内の複数のパートナー企業との協業で建設に着手している。UNITYにおいて機器の開発並びに実証を行うことで、2035年までに約1兆円規模に達すると見込まれる核融合プラント機器市場の開拓を強力に進める。

核融合発電試験プラント「UNITY」のイメージ図