豊田通商、PXP 神奈中バスの屋根で発電する実証実験開始

豊田通商、神奈川中央交通、PXP(神奈川県相模原市)の3社は2025年11月1日、次世代型太陽電池「カルコパイライト太陽電池」を活用した路線バスの燃費改善に向けた実証実験を開始した。神奈川中央交通の路線バス5両の屋根にPXP製カルコパイライト太陽電池を搭載し、2026年3月26日まで約5か月間、平塚市、茅ケ崎市、厚木市、伊勢原市などを走る平塚営業所管内の路線で実施する。

カルコパイライト太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池と並び、次世代型太陽電池として注目されている。軽量かつ薄型で柔軟性が高く、振動や衝撃に強い特性を持つ。特に耐久性に優れていることから、車両の屋根に搭載し長期間安定した性能を維持できることを期待している。実証では、太陽光発電により車内の空調などに必要な電力を補うことで、エンジンの負荷を軽減し、燃費を改善する効果を検証する。

実証実験は神奈川県の「次世代型太陽電池普及促進事業費補助金」を活用して実施する。豊田通商が実証実験の企画・運営支援と技術評価を担い、神奈川中央交通が実証対象車両の提供と運行データ収集、PXPがカルコパイライト太陽電池の提供と技術サポートを行う。3社は実証結果をもとに路線バスへの導入可能性を評価し、公共交通機関の環境負荷低減と地域の脱炭素化への貢献を目指す。