IVRy 40億円調達、AI音声顧客データ活用システムの提供を開始

対話型音声AI SaaS「アイブリー」を展開するIVRy(東京都港区)は2025年11月6日、シリーズDで総額40億円の資金調達を実施したと発表した。調達した資金はエンタープライズ領域の拡大、AIプロダクト開発の強化、M&Aなど事業拡大に充当する。

同社のAI電話応答サービスは、クリニックの予約受付や飲食店の予約、企業の代表電話、大手企業のコンタクトセンターなどで導入が進んでおり、利用者は現在4万アカウントを超える。

同日、「IVRy Data Hub」の提供も開始した。これは、従来活用が困難だった通話・メール・チャットなどの非構造データをAIで解析し、顧客の声を経営資源として活用するデータプラットフォーム。業務効率化だけでなくデータ活用による事業成長の両面から企業を支援する。

代表取締役CEOの奥西亮賀氏は「労働人口減少という深刻な社会課題に対し、電話のAI化による業務効率化を推進してきた。今後は顧客の声を新しい経営資産として事業成長につなげるフェーズへ移行する」と述べた。同社は今回の調達を機にエンタープライズ向けセールス人材の採用とマーケティング活動を強化する。

今回の資金調達では既存投資家のALL STAR SAAS FUNDがリード投資を行い、Coral Capital、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルなどが参加。累計調達額は106.1億円となった(関連記事)。