shiki、山口大学と産学官連携 「風土と感性」プロジェクト開始 地域文化の新たな翻訳者を目指す
商品の小売・販売やプロダクト開発、ブランドディレクションを手がける株式会社shikiは、国立大学法人山口大学と連携し、産学官協働のプロジェクト「風土と感性」を2026年4月に開始した。山口県の風土を学際的なデザイン思考で読み解き、地域文化の新たな翻訳者となることを目指す取り組みで、山口市産業交流拠点施設(KDDI維新ホール)が主催する。
同プロジェクトは、人工物そのものではなく「風土と人間の関係性」に焦点を当てる点を特長とする。都市と農村が有機的に結びついた地域圏を指す「テリトーリオ」の概念を軸に、山口県の特産品や伝統工芸をリサーチする。2026年4月のフィールドワークを起点として、同年12月には山口大学で講義「山口と世界(風土と感性)」を開講。学生は言語や生成AIに頼らず、アート作品やオブジェクトといった手法で土地の質感を表現し、社会への問いかけを作品化する。2027年3月頃には合同展示会形式での成果発表を予定している。
山口大学国際総合科学部の坂口和敏准教授が、STEAM教育とシステミックデザイン研究の一環としてフィールドワークを担い、研究の学際的な拡張を図る。shikiは、クラフトジンジャーエール「soyogi」の運営などで培ったフィールド調査や食体験デザイン、編集の知見を生かし、食文化と風土・感性のリサーチを担当。その成果を冊子やイベント、メディアを通じて発信する。加えて、森ビル都市企画株式会社が都市開発コンサルティングやまちづくり支援、施設の管理運営で参画する。本プロジェクトは、市民・学生・企業が協働する産学官連携プログラム「山口ミライ共創ラボ」の一環として実施される。
デザインリサーチと食文化を結びつける本プロジェクトは、地域課題の解決や新たな価値・人材の創出、ビジネスの創発につなげることを狙いとする。大学の研究と企業の実践、行政の場をつなぐ試みとして、地域資源を掘り起こす一つのモデルになることが期待される。
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