【7月21日鈴木憲和農水大臣会見詳報】コメの相対取引価格、6月は3万1305円で過去最大の下落幅に
農林水産省の鈴木憲和農林水産大臣は、2026年7月21日に定例の記者会見を開いた。会見の冒頭では大臣自ら2件の出張予定を明らかにしたうえで、記者からコメの価格動向のほか、骨太の方針に盛り込まれる新たな投資枠、外来害虫クビアカツヤカミキリへの対応について質問が相次いだ。
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麻布大学訪問、獣医師確保へ意見交換
鈴木大臣は21日午後、獣医学部を置く麻布大学(神奈川県相模原市)を訪れ、獣医学生と意見交換を行う予定を明らかにした。家畜の診療や防疫を担う産業動物獣医師は畜産物の安定供給に欠かせない存在だが、地域によって確保状況にばらつきがあるという課題を抱えている。大臣は学生から直接話を聞くことで、今後の人材確保策の検討に生かす考えを示した。
標津町訪問、サケ資源の減少受け視察
翌22日には北海道の標津町を訪れ、サケのふ化放流施設と農業高校を視察する予定も発表された。北海道は全国一のサケ漁獲量を誇る一方、近年は漁獲量の減少が続いている。大臣は現地の漁業関係者から課題を聞き取るとともに、農業高校の生徒との意見交換を通じて、次世代の農業人材育成につながるヒントを探る考えを述べた。
コメ価格、6月は1859円下落
記者からは、2026年7月17日に公表された令和7年産米の2026年6月における相対取引価格についての質問が出た。農林水産省の速報値によると、6月の相対取引価格は全銘柄平均で玄米60キログラムあたり3万1305円となり、5月の3万3164円から1859円下落した。前月からの下落幅としては、調査を始めた2006年以降で最も大きい水準となる。前年産と比べればなお高いものの、公益社団法人米穀安定供給確保支援機構(以下、米穀機構)が実施する取引関係者向け調査では、今後も価格が下がっていくとの見方が一段と強まっているという。鈴木大臣は、生産者が再生産や再投資をできる水準を保ちながら消費者の理解も得られるよう、需給と価格の動向を注視していく考えを示した。
新投資枠、骨太方針に予算要求を検討
政府は2026年6月30日の経済財政諮問会議で、経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太の方針2026)の原案を示した。原案には、8月の概算要求に向けて、要求額の上限を設けない新たな投資枠「強く豊かな日本」投資枠を創設する方針が盛り込まれている。危機管理投資や成長投資など、国内投資を通じて潜在成長率を引き上げる施策を、通常の歳出とは別枠で予見可能性を持って進める狙いがある。鈴木大臣は、この投資枠の活用も含めた予算要求の内容について、省内で十分に検討したうえで具体化していく方針を述べた。
クビアカツヤカミキリ対策本部準備
果樹や街路樹のサクラなどに被害を広げている特定外来生物、クビアカツヤカミキリへの対応も議題に上がった。農林水産省によると、2026年7月時点で19都府県において発生が確認されている。この害虫は飛翔・繁殖能力が高く拡散しやすいため、発生地域かどうかにかかわらず、農地以外の公共施設や街路樹も含めた対策が必要になる。鈴木大臣は、石原宏高環境大臣とともに本部長を務める対策本部の設置準備を進めていると説明し、環境省など関係省庁に加え、全国知事会・全国市長会・全国町村会にも参加を呼びかけ、地域一体の防除体制を築く考えを示した。自民党も2026年7月17日付で、環境・温暖化対策調査会(会長・井上信治衆議院議員)の下にプロジェクトチームを設置しており、笹川博義衆議院議員が座長を務めている。対策本部では、住民への周知や関係者が連携した一斉防除、より効果的な防除方法の研究開発などを総合的に検討していくという。