ispace U.S. 2基のリレー衛星で月・地球をつなぐサービスを発表

ispace(東京都中央区、月刊事業構想2023年10月号参照)は、米国法人のispace technologies U.S.社が、2基のリレー衛星による新たなデータサービスを開始すると発表した。月の南極付近に位置するシュレーディンガー盆地に着陸する予定の月着陸船APEX1.0ランダーと地球との間の通信を可能にするものだ。

2基のリレー衛星は、同社米国法人が2026年に予定しているミッション3において、SpaceX社のFalcon9により打ち上げ、APEX1.0ランダーにより、同機が月に着陸する前に月周回軌道に展開する計画だ。

ispace U.S.社は、Team Draperの一員としてアメリカ航空宇宙局(NASA)の商業月面輸送サービス(CLPS: Commercial Lunar Payload Services)のタスクオーダーCP-12に採択された。ミッション3では、NASAによる複数の科学研究に使う貨物(ペイロード)を、月の裏側、南極付近に位置するシュレーディンガー盆地へ輸送することになっている。

CP-12における科学調査が完了した後、2基のリレー衛星は極域を起点に、月のほぼ全球をカバーする、円形に近い高高度の月の極軌道、高円極軌道(High Circular Polar Orbit 、HCPO)を航行する。これにより、7割近くの月面南極域と地球の間で通信が可能となる。ispaceではこれらによるデータサービスの利用機会を顧客へ提供する計画を立てている。


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