出荷予測で農家の高収益化へ 農業スタートアップINGENの挑戦
(※本記事は「JAcom 農業協同組合新聞」に2024年9月11日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
JAグループの資源をスタートアップ企業に提供し、農業や地域社会が抱える問題の解決をめざして新たなビジネスを協創するJAグループのオープンイノベーション活動である「JAアクセラレータープログラム」は今年度は第6期を迎え、9社が優秀賞に選ばれた。現在、JA全農、農林中金職員ら「伴走者」の支援を受けてビジネスプランのブラッシュアップをめざして活動をしている。今回は出荷予測システムに取り組む(株)INGENをレポートする。
農業の課題は収益性
INGENは、農業の生産額を増やすにはどうすれば良いかを痛切に考え、至った結論が「出荷予測」と「温暖化に対応した栽培技術」だという。
代表取締役の櫻井杏子氏は、「今後もおいしい作物を安定して届けていただくには、農家が続いていかないといけない。そのためには農家の収益改善が欠かせません」と語り、「本当に高収益につながるのは、どれだけ確度高く計画的に作れるか、つまり出荷予測ができるかがポイントです」と強調する。つまり、いつ、○○%の確度で、この数を出荷できる、と言えることが重要という。

単収や単価より「出荷予測」が高収益に効くという発想は、特に卸との会話から想いを深めた。農家は、良いものを作る努力はしている。すると卸から、いついつにこのくらい欲しいのだが、作れるか?と聞かれる。
「その時に、8割の確度で作れる、と言えれば売買が成立させられます。そこで我々INGENも頑張るから農家も頑張って、8割作れると言えるようになりたいのです」と櫻井氏は語る。8割作れると言えれば、卸も期待して価格を固定して購入してくれる。こうした出荷予測こそが高収益につながると説明する。
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