産業容器ドラム缶のリユースリサイクル最前線 高い再利用率で循環型社会に貢献

(※本記事は経済産業省が運営するウェブメディア「METI Journal オンライン」に2026年4月20日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)

ドラム缶の倉庫

薬品、塗料、燃料など様々な物資は、消費者が直接手にしないところで輸送され、各種産業を支えています。こうした物資の輸送に用いられる重要な産業容器の1つがドラム缶です。鋼製ドラム缶が、実は高いリユース・リサイクル率を誇る循環型社会の実現に寄与するものであることをご存知でしょうか?

社会を支える産業容器 ~鋼製ドラム缶

ドラム缶は、1903年にアメリカで発明された耐久性・耐火性に優れた容器であり、とくに危険物の安全輸送、保管・貯蔵手段に高い信頼を得ています。国際連合の基準をはじめ国際規格も策定され、全世界どこでも使える安全な容器として100年以上国境を越え流通しています。国内では、新缶と再生缶を合わせて年間約2,100万本のドラム缶が製造されています。

鋼製ドラム缶の製造工程

ドラム缶は、薄い鋼板を切断、溶接、プレスして作られます。輸送時の効率性、安全性を最大限に高めるため、円筒の高さ、天板の大きさなどの寸法はもとより、耐久性を確保するための溶接方法や圧着方法、強度を増すための胴体の円筒の出っ張りに至るまで、規格で詳細に定められています。ドラム缶の塗装は、さび止め保護の役割もあります。

高いリユース率

鋼製ドラム缶は使用後、再生ドラム缶メーカーに回収され内部洗浄や形状補正を施し約60%がリユース(再使用)されています。その高いリユース率の背景には、規格が統一されていることに加え、鉄素材であるがゆえに内部の洗浄、形状の補正が容易であること、回収・再生・納入の仕組みが確立していて全国的に再生ネットワークが整備されていることがあげられます。

鋼製ドラム缶の再生ネットワーク

リサイクル率はほぼ100%

数回再使用されたドラム缶は、回収され、残渣などの処理を行った後、スクラップされ新たな鉄鋼製品の原料として利用されます。そのリサイクル率はほぼ100%です。こうしたドラム缶の仕組みは、経済性を追求した結果であると同時に、貴重な金属資源を大切に使いながら次の世代への豊かな環境を引き継ぐための、循環型社会の実現に貢献するものです。産業分野でのこうした取組が継続され、さらに発展していくことが期待されます。

経済産業省は、金属資源の自立型資源循環利用を一層推進するとともに、製造と回収・再生・再資源化の産業連携を通じて、サーキュラーエコノミーを拡大し、持続可能な社会の実現を後押ししていきます。

【リンク先】ドラム缶工業会・日本ドラム缶更生協同組合 循環型社会へ貢献する鋼製ドラム

元記事へのリンクはこちら

METI Journal オンライン
METI Journal オンライン