大日本印刷が長寿企業314社の経営実態を調査、持続成長の鍵は「変化し続ける力」
大日本印刷(DNP)は2026年7月28日 、創業100年以上かつ売上高100億円以上の企業を対象に実施した「長寿企業に関する経営意識調査」の結果を発表した。2026年は「昭和100年」にあたる節目であり、同社も同年10月に創業150周年を迎えることから、100年以上続く企業の経営の秘訣やイノベーションの源泉を明らかにする目的で調査した。
調査結果によると、100年以上事業を継続できた理由として最も多かったのは「時代や環境変化に合わせた事業内容・構成の見直し」で46.6%に上り、「ブランド力・企業としての信頼性」(37.9%)や「安定した顧客基盤」(34.7%)を上回った。社会や時代の変化に対応し、変化し続けることが持続的な成長を支える要素であることが分かった。企業の強みについては「創業時の強みを基盤に、内容や形を変えながら発展している」が61.9%、「創業時から強みはほぼ変わっていない」が17.9%となり、約8割が創業時の強みを現在も経営の基盤としていた。長寿企業は強みを変えない企業ではなく、変わらない強みの活かし方を進化させている企業である実態が浮かび上がった。
理念やビジョンが経営層の発信や日常のマネジメントを通じて社員に伝えられているかとの問いには、「そう思う」(53.3%)と「とてもそう思う」(18.5%)を合わせて7割超が肯定した。自社の強みとしては「強固な顧客基盤・顧客との信頼関係」が66.5%で最も多く、次いで「技術力・ノウハウ」(35.1%)が続いた。イノベーションを生み出す原動力としても「顧客ニーズ・顧客課題」(42.5%)が最多となり、顧客が単なる販売先ではなく、次の成長機会を見いだす共創のパートナーと位置づけられていることがうかがえる。
さらに因子・クラスター分析により、長寿企業を「理念・挑戦型」「行動・成果型」「職人・慎重型」「自律・分散型」「統制・堅実型」「独自価値・安定型」の6つのタイプに分類した。このうち理念・挑戦型と行動・成果型では、直近5年間で業績が伸長傾向にある企業が約70%を占め、新しい取り組みや従来と異なるやり方への挑戦を前向きに評価する風土が強く見られた。社員一人ひとりの挑戦を促し、行動へと結びつける組織ほど、業績が伸長する傾向がうかがえる結果となった。
長寿企業の6つのタイプと特長
この調査報告書について、ハーバードビジネススクールのジェフリー・ジョーンズ教授は「過去からの学びの活用と企業業績の相関を実証的に示した資料だ」と評価し、多種多様な企業を大規模に調査した報告書として世界の経営史研究に貢献するとの見解を寄せた。