野村不動産 埼玉で営農型太陽光発電の実証実験、土地活用と脱炭素の両立へ
野村不動産は2026年7月29日、埼玉県比企郡川島町で、農業生産と再生可能エネルギーの創出を両立する「営農型太陽光発電」の実証実験を開始したと発表した。物流施設開発で培った知見を活かして新たな領域へ事業を拡張するもので、農地という既存資産にエネルギー供給機能を付加し、土地活用の高度化と脱炭素化を同時に実現する社会インフラモデルの創出を目指す。
実証実験の様子(野村不動産提供)
営農型太陽光発電は、農地の上部空間に発電設備を設置し、その下で農業を継続しながら発電を行う取り組みで、作物の生育に必要な日照を確保しつつ再生可能エネルギーを導入できる。大規模造成を伴う従来型に比べ環境負荷を抑えられ、分散型電源として導入可能なエリアが広い点も特長とされる。
実証実験では、川島町中山の農地約3,515平方メートルに太陽追尾型の設備を設置し、作物の生育に配慮した環境下で発電する。発電量は年間約80メガワット時を見込み、工期は約1カ月、実証実験期間は2026年7月から約3年間を予定する。事業スキームでは、同社が発電設備を設置・保有し、営農者が農業に従事、農地所有者から借地または地上権の設定を受けて運営し、発電した電力は売電する。設備の安全性やコスト、パネル下での収穫量、農業上の効果、周辺環境への影響といった観点から事業の成立性を検証する。
同社は今後、地域や地権者、営農者、行政などの関係者との連携を深めながら検証を進め、グループのCO₂排出削減目標の達成に寄与するとともに、農業継続と発電を両立する土地活用モデルの確立と持続可能な社会インフラの形成への貢献を目指す。なお同社は2026年度にインフラ・インダストリー事業本部を新設し、物流施設やデータセンター、エネルギー、工場など社会・産業インフラを支えるアセットの開発体制を強化している。