ラクスル、MBO後初の中長期戦略を発表 「中小企業の課題解決プラットフォーム」構築へ
ラクスルは2026年7月30日、マネジメント・バイアウト(MBO)による非上場化後、初となる中長期の事業戦略を発表した。これまで手がけてきた売上拡大・コスト最適化の両領域に金融領域を加え、3領域を一体で提供する「中小企業の課題解決プラットフォーム」を構築する。ラクスルは2025年にMBOを発表し、2026年5月に非上場化した。ラクスル代表取締役社長 グループCEOの永見世央氏(写真)は「中小企業の経営課題を解決するプラットフォームとなるためには、サービス間の連携や新規事業に継続投資する必要がある。それには、短期的な業績変動に左右されない意思決定を下さなければならない。MBOはそのための経営判断です」と説明する。今回発表した戦略は、その実現に向けた第一歩と位置づけられている。
構想の中核は、中小企業が抱える課題の解決策のうち、(1)売上拡大、(2)コスト最適化、(3)資金支援の3領域を一体で支援することにある。顧客企業の成長フェーズに応じてこれらを連携させ、1つのプラットフォームとして束ねることで価値を高める狙いがある。
売上拡大の領域では、印刷・広告に加え、ホームページ制作、営業支援、AIを活用したサービスを通じて新規顧客の獲得を後押しする。コスト最適化では、印刷ECや購買ECを通じて調達コストの圧縮と業務効率化を支える。そして資金支援では、金融領域を新たな柱として強化。銀行サービスに加え、成長投資を支える金融サービスを拡充していく方針だ。
戦略の具体化として、同社は同日、売上拡大・営業・金融の各領域でサービス強化をあわせて打ち出した。売上拡大領域では、ホームページ・LP関連サービス「ラクスルホームページ」を進化させた。ホームページ作成サービス「ペライチ」を「ラクスルホームページ」に統合し、サイトを顧客が自作する「DIY」、AIを活用して効率的に制作する「AIサポート」、制作・運用を任せる「制作代行(丸投げ)」の3つの提供形態を新たに用意。8月1日からは、AIが自動生成しプロデザイナーが仕上げる高品質なページと、月額5500円から依頼できる集客・販促支援サービスの提供も始める。
金融領域では、100%子会社のラクスルバンクが同日、「融資」「法人カード」「請求書発行」の3サービスを順次提供する方針を打ち出した。いずれも関係当局の許認可・承認を前提とした新規事業の計画となる。GMOあおぞらネット銀行と連携し2025年に始めた法人口座サービス(関連記事)に続く機能拡張で、資金調達・決済・請求管理を一体で支援し、資金繰りの改善とバックオフィス業務の効率化を狙う。