法人カードで変える旅費精算 実費精算移行を「仕組み転換」の好機に
ビザ・ワールドワイド・ジャパン 法人ソリューションズ ディレクター岡田大介氏は、世界の行政機関で導入が進む法人カードを軸に省力化と制度の向上を同時に実現する精算のありかたを描く。
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法人ソリューションズ ディレクター岡田大介氏
世界の行政機関が利用する 法人カード
Visaは電子決済の世界的リーダーとして、60年以上に渡り、世界200以上の国と地域における決済取引によって消費者、事業者、金融機関や政府機関をつないでいる。支払いに用いる法人向けカードは大きく3種類。職員の出張や交際費に使うコーポレートカード、用度品や業者への支払いを担うパーチェシングカード、そして公用車の燃料や保守費用などをまとめるフリートカードだ。
フランスでは国営物流業者がガソリンや保険、整備費の支払いをフリートカードに集約し、データ連携によって行政側の事務処理を簡素化している。
一方日本では、公的機関でデジタル化が進む中、職員と管理部門の負担がかえって重くなっている現状が指摘されている。
「出張予約と支払いが分断されているなど、運用方法によっては、承認、事後の支払いチェック、不正防止のための確認プロセスが積み重なってしまうケースもあります。システムを導入しても、『人を疑い、チェックによって不正を防ぐ』発想を続ける限り、業務は増え続けるでしょう。明確なポリシーの事前策定、カード利用データの自動取得、そしてシステムによる不正の事前抑止を組み合わせ、手作業を限りなくゼロに近づけるという考え方と設計への転換が必要です」と岡田氏は指摘する。
米国連邦政府の業務最適化と経費削減
好例が米国連邦政府だ。およそ30年前からVisaカードの導入が進み、内務省、国防総省など、現在は500以上の機関で450万枚以上のカードが発行されている。
原則、データがすべてカード利用と紐付いており、サプライヤーごとの利用金額・件数などが一目で分かる環境だ。経費精算システムのデータ連携を前提に、利用者ならびに管理する経理・財務部門が最適なプロセスと体制を整え、他業務に集中できる環境になっているという。
支払いがカードに集約された結果、現金利用で発生しやすい不正やマニュアルプロセスでの監査が最小限に抑えられる。サプライヤーごとの取引が可視化され、航空会社やホテルとの条件交渉も実績データに基づいて行える。
法改正を「仕組み」転換の好機に
一方で、カードの不正利用はほぼ発生していない。Visaの「IntelliLink Compliance Management」を通じて、さまざまな政府機関のユースケースに基づき、まずは不正を定義し、コンプライアンスを遵守することをカード利用者に徹底。同時に、各機関は支出のニーズや目的に応じてカード利用の取引レベルに応じて制限を設定できる柔軟さも奏功しているという。
岡田氏は米国連邦政府の事例を踏まえ、支払い手段をカードに集約することによる「仕組み化」と「事前のコントロール」が、公的機関の精算業務を変える可能性を強調する。
「目指すのは、精算という『作業』をこなすのではなく、出張、決済の流れで結果として精算も終わっている状態です。法改正を、抜本的な仕組み転換の好機と捉えていただきたいと思います」。
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