AIは融資審査にも革命を起こす 信用スコアが低い場合に金利と審査通過率アップ
(※本記事は『THE CONVERSATION』に2024年4月16日付で掲載された記事を、許可を得て掲載しています)
人工知能(AI)が着実に世界経済に浸透する中、破壊的イノベーションのきざしが見える分野のひとつが、消費者向けの価格設定だ。ひとつの商品やサービスを消費者ごとに異なる価格で提供する場合、スタッフの裁量を排除し、過去の価格データ、機械学習の能力、アルゴリズムを組み合わせ、コンピューターが最適な価格を算出することができるようになった。
例えば、ヴァージン・アトランティック航空などは、機械学習を利用してより競争力のある航空運賃を提供している(航空運賃は標準化されていると思われがちだが、実際には居住地などの多数の変数によって影響を受けている)。同様に、銀行も住宅ローンでこの方向に進んでいる。
より一般的に言えば、融資の金利設定でも変革の可能性がある。私たちの研究グループは最近、北米の自動車ローンに関する論文を発表した。ディーラーを通じて行われた数千件の融資決定に機械学習を適用することで、利益を34%増加させることができることを発見した。
しかし、これはある代償を伴う。それは、現在よりもリスクの高い借り手に対して融資の料金を少し上乗せするというものだ。これにはいくつかの緩和要因があり、一部の人々にはそのコストを正当化する意見もあるかもしれない。いずれにせよ、このことは融資の未来について重要な問いを投げかけるものである。
変動価格制への移行
数十年前までは、貸付利率は皆同じであった。しかし、1980年代後半に信用スコアが導入されて以降、この状況は変わり始めた。これらは、高リスクの顧客に対して金利を少し高くするためによく使用されていた。
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