商船三井 欧州の洋上風力メンテナンスのための支援船事業に初参入
商船三井は、欧州における洋上風力発電所向けのオフショア支援船「SOV(Service Operation Vessel)」事業に初めて参入する。2026年3月9日に発表した。キプロスを拠点とするSchoeller Holdings社と、2027年竣工予定のSOV2隻を共同保有し、ドイツの洋上エネルギー船舶開発・商業運航会社のDeutsche Offshore Schifffahrt社に出資する。商船三井はすでに台湾でSOV事業を展開しており、洋上風力関連事業をアジアから欧州へ拡大する重要な一歩と位置づけている。
SOVは、洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の風車に派遣するための専用支援船で、宿泊設備を備え、一定期間洋上で活動できる。自動船位保持機能(ダイナミックポジショニングシステム)や船体の揺れを吸収する特殊な人道橋を搭載し、技術者を風車プラットフォームへ安全に移送する。今回の2隻は50トンの大型クレーンと広いデッキスペースを備えた船舶で、風力発電所の建設・試運転時だけでなく、石油・ガス分野での洋上作業にも対応可能だという。
欧州では洋上風力発電が中長期的なエネルギー政策の柱として強力な政策的支援を受けており、大規模プロジェクトの拡大が続いている。それに伴い、SOVへの将来的な需要拡大も期待できる。
商船三井グループは、海運市況に左右されにくい非海運事業の比重を高める事業ポートフォリオの変革を進める。同社は台湾で2022年にアジア初の新造SOVを竣工させて以降、2隻目・3隻目の造船契約も締結しており、今回のプロジェクトで欧州市場にも足場を築くことで、洋上風力関連事業のグローバル展開を一段と加速させる考えだ。