将来宇宙輸送システムが32億円を資金調達、2040年代に高頻度宇宙輸送の実現へ

宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指すスタートアップの将来宇宙輸送システム(東京都中央区)は2026年3月11日、第三者割当増資により約32億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はインキュベイトファンド、B Dash Venturesのほか、JALエンジニアリング、愛知産業、北洋銀行など多数。調達額の約7割は新規参加の事業会社・投資家から、その他はCVCを含む事業会社からの出資となっており、将来的な事業連携を見据えた関係構築にも重点を置いた。


今回の資金調達の引受先一覧

同社は2022年5月の創業以来、「宇宙でも人や貨物が当たり前に届けられる世界」をビジョンに掲げている。最終目標は、完全再使用型の単段式宇宙往還機「ASCA 3」による2040年代の高頻度宇宙輸送の実現だ。現在は再使用型の人工衛星打上げロケット「ASCA 1」の開発と、有人宇宙輸送システム「ASCA 2」の概念検討に取り組んでいる。

政府からの支援実績も積み上がっている。文部科学省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)では2024年9月に最大50億円の補助金に採択されたほか、2026年2月には宇宙戦略基金事業の「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」にも採択された。補助金採択等の政府支援額は累計約94億円に上る。

今回の調達により累計資金調達額は約44億円に達し、従業員数も100名を超えた。同社代表の畑田康二郎氏は「当社に結集した人材やパートナー企業と共に、資金を効率的に活用して速やかに再使用型ロケットを開発して、人や物が当たり前のように届けられる世界を宇宙でも実現してまいります」とコメントしている。