韓国のスタートアップエコシステム 大型エグジットが続出

K-POPやファッション、化粧品、料理などでグローバルな人気を誇る韓国。サムスンやヒュンダイほか製造業の大手ブランドを擁する国でもある。近年はユニコーン企業の産地としても注目される同国のスタートアップを取り巻く状況について解説する。

 

IMF危機をきっかけに
スタートアップ育成にシフト

複製と創造的模倣は、1960年代から2000年代までの韓国企業の技術発展を表す用語だ。経済発展を目指す政府の政策と韓国国民の勤勉な性格が組み合わさって、目覚ましい成長を達成した。その後、1997年のIMF危機により業界再編への強い圧力が生じ、財閥中心の発展モデルは限界に直面した。

IMF危機は、韓国人が起業家精神の重要性を認識する機会となったといえる。それに先立ち韓国ベンチャー企業協会が設立され(1995年)、新興市場KOSDAQの開設があり(1996年)、これらもベンチャー企業育成に関する一連の取り組みにつながった。 ベンチャービジネス法(1998年)とファンド・オブ・ファンズ法(2005年)、スタートアップ向けテック・インキュベーター・プログラム(TIPS、2013年)、そして最近ではベンチャー投資法の改正(2020年)があった。韓国政府もまた、スタートアップのその重要性を強調するために、中小企業庁の地位をより上位の中小ベンチャー企業部に格上げした(2017年)。

また、デジタルトランスフォーメーション(DX)に代表される第4次産業革命の進展に伴い、韓国は二次電池、バイオ、ロボット、AIなどの新産業へと進出し、産業構造の質的転換を図っている。こうした中、財閥とスタートアップとの連携ネットワークを構築し、新たな経済を創造する取り組みが進められている。サムスンやLG、現代、SKなど各財閥と地域スタートアップ活動を強化するため、全国9か所の創造経済イノベーションセンターが設立されている。

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