バルブ業界パイオニア DXを軸に「未来型ものづくり企業」へ

1926年、日本における工業の中心地であった北九州市で創業した岡野バルブ製造。国内で初めて高温・高圧バルブの製造に成功し、世界的に知られる存在となった。現在は伝統と革新の融合で「日本のものづくり産業の復権」を目指しているという岡野社長に話を聞いた。

岡野 武治(岡野バルブ製造株式会社 代表取締役社長)

高温・高圧バルブの製造と
メンテナンスで社会を支える

岡野バルブ製造の歴史は、現社長の曽祖父が1926年に福岡県北九州市で岡野商会を創設したことから始まった。北九州は当時日本における工業の中心地であり、今もなお、ものづくりの企業が集積している。

「曽祖父は英国からボイラーを輸入していたのですが、ボイラーが故障した際に英国から船便で部品を送ってもらうと数ヶ月間にわたり産業が止まってしまうため、壊れやすかったバルブの製造に着手したそうです。1932年に高温・高圧バルブの国産化に成功し、さらに飛躍的に強度を高めるステライト溶接技術を世界で初めて開発。この技術が世界標準となり、当社の製品は超ハイブランドとして世界的に知られています」と岡野武治社長は語る。

バルブ業界のパイオニアとなった岡野バルブ製造は、それから90年以上の長きにわたって火力発電や原子力発電に欠かせない高温・高圧バルブの製造とメンテナンスを主な事業として成長してきた。国内で高いシェアを誇り、海外にも製品を納めている。

左/バルブ製品のみならず、鋳鋼材料開発・鋳鋼素材製造も自社で実施 右/オーダーメイドで製造されるバルブは様々な独自検査により品質が保証されている

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