社会実装に挑み続けるユーグレナ 遠い世界を身近に引き寄せる

大量培養は不可能という学界の常識を打ち破り、多様な可能性を持つ石垣島ユーグレナを応用した製品を次々に送り出しているユーグレナ社。大阪・関西万博のTEAMEXPOの共創チャレンジでは、石垣島ユーグレナをバンドメンバーとして参加させ、楽曲を制作した。

聞き手 : 小宮信彦 事業構想大学院大学 特任教授、電通 ソリューション・デザイン局 シニア・イノベーション・ディレクター

ゆる楽器を奏でるバンド「ゆるミュージックほぼオールスターズ」に石垣島ユーグレナがメンバーとして参加

フィロソフィーは「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」

小宮 まずはユーグレナ社のこれまでの歩みについてお聞かせください。

ユーグレナ広報宣伝部部長の北見裕介氏

北見 創業者の出雲充が、大学生の頃にバングラデシュを訪ねた際、栄養失調で苦しむ子どもたちを目の当たりにし、それを解決したいと考えました。なにか栄養豊富なスーパーフードがないものかと探すうちに出合ったのが藻の仲間であるユーグレナ(和名ミドリムシ)です。食品にすると栄養価が高いものだということは知られていたのですが、しかし意図的に増やすのは不可能と言われていました。その後、世界初の食用屋外大量培養に成功し、サプリメントやドリンク、ふりかけなどの食品としてだけでなく化粧品、バイオ燃料へ応用の研究が進んでいます。

創業15周年を迎えた2020年に、「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」という会社のフィロソフィーを定めました。私たちは、サステナビリティを「自分の幸せが、誰かの幸せと共存し続けること」と定義しており、私たちが成長すれば成長するほど社会が良くなる事業を作ることを考え、さらに事業を拡大していこうとしています。現在は、肥料や飼料、繊維などの研究も進めています。

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