法的・政治的制限が多いドイツの国民ID 電子政府推進へ議論が続く

ドイツの国民ID番号制度は帝政ドイツ時代に起源を持つが、ナチス政権下でホロコーストに利用されたことから、統一番号には現在でも拒否感が根強い。その一方で、電子政府化を推進するために、新しい国民番号の導入が模索されている。歴史的な不信感をいかに克服するかが課題になっている。

1871年に統一国家として発足した帝政ドイツは、欧州の中でもいち早く国民の登録制度を導入した国だった。ドイツ帝国の創設直後の1876年、それまで各地で教会が作成していた出生・結婚・死亡の記録を国が担うことになったのだ。国家による登録制度は、第二次世界大戦が始まった1939年、ドイツ国内およびその占領地の国民すべてに拡大された。その結果、ドイツにおいて、政府が発行するIDカードとそれに紐づけられた個人情報は、ナチス政権下でのユダヤ人をはじめとする人々のホロコーストの記憶と強く結びついている。現在のドイツには、政治的にも法律的にも、国民識別番号の統一に反対する強い流れが存在する。

歴史的経緯から
国民番号制度への抵抗感が強い

その一方、第二次大戦終結後の1951年、東西ドイツ政府はそれぞれ、全国民に冊子体のIDカードを発行した。現在もドイツ国民は国民IDカードを保持しているが、その利用は連邦憲法裁判所と連邦議会の両方から厳しく制限されている。

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