技術ベースの起業が盛んな台湾 官民で取り組む新興企業育成

先端技術を背景に、台湾では様々なハイテクスタートアップが誕生している。台湾政府は政策的にテック企業の創業を支援しており、強力なテクノロジー産業、コスト優位性のある製造業、質の高い人材というリソースも相まって、スタートアップにとって恵まれた環境が生まれている。

 

人口2300万人超、豊かな自然と優れたデジタル環境、高度な半導体産業を持つ台湾。そのスタートアップエコシステムは、政府と民間部門双方の努力のおかげで、近年大きく進歩した。PwC 台湾と台湾経済研究院による調査1によると、台湾のスタートアップ エコシステムはインフラ、人材、政策支援の面で競争力が高い。同調査では、スタートアップ企業との協業を求める中堅・大企業が増加していること、そしてそれらの企業がスタートアップの研究開発能力に着目し、「外部イノベーション」の最良のパートナーとして求めていることが明らかになった。

またこの調査において、インキュベーターが台湾のスタートアップの成長において重要な役割を果たしていることが判明した。台湾においては、どの段階にあるスタートアップ企業でも、成長を支援するためのサービスやコンサルティングを提供するインキュベーターを見つけることができる。GEM 2022/2023 Global Report2においても、台湾は全体的な起業環境が良好であると評価されており、特にインフラ、人材、政策支援において世界第3位にランクされている。

スタートアップ育成を支援する
台湾政府の施策

台湾政府は、起業家精神を育むためのさまざまな政策や法案を積極的に策定してきた。この起業家精神・活動が経済成長を促進する重要な鍵となっている1。台湾政府が講じてきたスタートアップ支援策としては、 例えば「スマート機械」、「アジアシリコンバレー」、「グリーンエネルギー技術」、「生物医学産業」、「防衛産業」、「新しい農業」、「循環経済」などの産業革新計画がある。このような政府の方針によって、台湾の次世代産業成長の中核的な原動力が生まれ、経済の成長に新たな勢いをもたらしている3

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り78%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。