スタートアップが牽引する、観光DXとトラベルテックの最前線
2020年以降、新型コロナにより観光産業は大きな打撃を受けたが、企業は様々な新戦略を打ち出し、スタートアップを中心にしてトラベルテックも続々と開発されている。観光DXにはどのような領域があり、今後はどのようなサービスが生まれる可能性があるのか。注目企業の事例とともに紹介する。
スタートアップが牽引する
観光DXとトラベルテック
2020年に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外の観光産業は激変し、大きな岐路に立った。インバウンドがほぼ消滅し、国内旅行も積極的にはしにくいという環境の中で、廃業や事業転換を図った企業も多い。一方で、他の業界と同様に、観光産業でもDXへの取り組みが進みつつある。スタートアップを中心とする多くの企業が、トラベルテックとそれを活用したサービスの開発に取り組み始めているのだ。
観光庁も近年、観光DX推進に力を入れている。2021年度には、複数技術を掛け合わせた新たな技術の開発や、技術と観光資源との掛合わせによる相乗効果を生み出す技術開発により、体験価値の向上や観光消費額増加を実現する「これまでにない観光コンテンツやエリアマネジメントを創出・実現するデジタル技術の開発事業」、および、コミュニケーションを取ることが可能なインタラクティブな既存のオンライン技術と観光資源を融合させ、観光需要や消費意欲を創出させる「来訪意欲を増進させるためのオンライン技術活用事業」において、実証実験を行った。
開発事業では、「鹿島アントラーズを基軸としたエリアマネジメントの変革」、「XR技術 を用いた屋外周遊型 XR テーマパーク開発事業」、「顔認証と周遊eチケットを融合した手ぶら観光の実現」などの5事業が採択された。
「鹿島アントラーズを基軸としたエリアマネジメントの変革」は、リアルタイム混雑データを活用した情報発信の高度化やダイナミックプライシング等の開発により、鹿島アントラーズを基軸に、茨城県鹿嶋市の観光振興とエリアマネジメントの変革の実現を目指すものだった。また、「XR技術を用いた屋外周遊型 XR テーマパーク開発事業」は京浜急行電鉄が手掛けたもので、XR技術などとクールジャパンコンテンツを連動させたXRバスツアーを開発し、その実証実験を横浜・みなとみらいエリアで行っている。
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