次の「兆し」を捉えデザインで実装 エレコムのデザイン経営
コンピュータ周辺機器メーカー「エレコム」は創業時からデザインコンシャスな企業で、これまでグッドデザイン賞を計137件受賞している。年間4,000点以上の新商品を企画開発する同社のデザイン組織と経営との関係について、非通電開発部デザイン課を統括する佐藤慶太氏に聞いた。
文・矢島進二 日本デザイン振興会 常務理事
エレコムは現会長の葉田順治氏によって1986年に大阪市で創業。パソコンラックやフロッピーディスクケースなどから事業をスタートし、その後、ケーブルやマウス、キーボードなどで事業基盤を固めた。
葉田氏は、世界的な経営書を読むことを習慣とし、経済界では最新の経営学やビジネスモデルに明るい人物として知られるが、実はデザインをこよなく愛する経営者でもある。
Apple初期のMacintoshシリーズを手掛けたフロッグデザイン社のデザインに魅せられ、創業間もないエレコムが意欲的なPC周辺機器「ルナリスシリーズ」を世に出したことは、日本デザイン史に残る偉業である。
その後も、岩崎一郎、石橋忠人、nendoなど有力なデザイナーと組んで斬新な商品を生み出したのも、葉田氏の経営センスだ。長年デザイン誌『AXIS』の裏表紙に広告を出稿しているのも、こうした企業文化があるからだ。
そうしたデザインコンシャスな同社が、現在注力しているのが、経営とデザインをより密接な関係にするためのインハウスデザイナーの位置づけの再編で、そのリーダー役が佐藤慶太氏だ。
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